
株式会社アピッシュ様は、理美容サロン事業および若手美容師教育を柱に事業を展開しており、技術・感性・人としての魅力を育むことを重視しています。特に「apish未来塾」という教育プログラムを運営し、学生育成や美容師道の探求を通じて業界への貢献を図っています。 2025年5月21日には大阪・関西万博ポップアップステージ「JAPANESE HAIR CULTURE ~未来の美を創造するヘアデザイナー~」を主催。全国の理美容師と学生を集め、国際的な舞台で日本の理美容文化を発信する一夜を提供しました。ステージ上ではAI再現された“AI坂巻氏”の登場もあり、未来に向けたメッセージが発信されました。
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この企画がたちあがるまでに
このステージの原点にあるのは、坂巻哲也氏が「いつか万博のステージに立ちたい」と願い続けていた思いでした。2024年3月、氏は志半ばでこの世を去ります。しかし歩みは止まりません。
氏が生前に立ち上げた「apish未来塾」のメンバーが、その願いを現実にするためにプロジェクトを起こし、舞台づくりを進めました。会場では、氏の理念を継承する象徴として“AI坂巻”がスクリーンに現れ、未来を担う若者たちへ温かなメッセージを届ける演出が実現。まさに「想いを受け継ぐ」ことを体験に変えたステージとして結実しました。
導入の決め手
アピッシュ様が『Digital Beauty Advisor』をこのステージで採用した大きな決め手には、坂巻氏の人格・想いを“AI”として忠実に再現したいという強い希望がありました。
坂巻氏が生前出演された動画から、音声のみを抽出し、それをAIが発する声として当てはめることが可能であったこと。これにより、ステージ上でAIが発する声が、坂巻氏自身の声や話し方の雰囲気に近くなり、観客にとって“本人が語っている”ような没入感を得られるという点を魅力に感じていただきました。
また、生前の坂巻氏の写真をベースにしたAIアバターを作成、ステージスクリーン上にそのアバターを表示することで、「画面を通じてであっても坂巻氏本人と会話しているかのような映像体験」を届けられるという演出性の高さが評価されました。
坂巻氏は美容業界に対して強い熱意と明確なビジョンを持っていたものの、その“これから語られるはずの言葉”は、氏自身によって発信されることはできませんでした。そのため、過去の坂巻氏の動画発言から、語り口・価値観・思考パターンをAIに学習させ、AIが氏の考えをベースとする回答を可能にすることで、“今、もし坂巻氏が語るならこうするだろう”というメッセージ性をステージに持たせることができたことが、大きな決め手になりました。 さらに、ステージが「apish未来塾」のメンバー主導で立ち上げられた背景を活かし、氏の理念を受け継ぐ形でAI技術を活用することで、イベント自体がただのショーではなく「想いの継承」と「業界へのメッセージ発信」の両方を兼ね備えられる機会になる点も、採用の後押しとなりました。
企画を通して
ステージの最後には、“AI坂巻”によるメッセージが投影されました。
「未来は今日から始まっています。あなたが、あなたらしく輝くことで、理美容の未来はもっと自由で、美しいものになる。」
この企画により、坂巻哲也氏が生涯を通じて発信してきた理美容への姿勢を、AIを介して現在進行形の言葉として届けることができました。来場者にとっては、過去の想いを継承するだけでなく、AI活用によって「もし今坂巻氏が語るなら」という未来志向のメッセージを体験できたことが大きな特徴です。
会場では感極まる来場者の姿も見られ、AIによる再現が単なる技術演出ではなく、想いを継承し、観客の心に新しい気づきを生み出す手段となったことが確認されました。
